無知と知

2017/12/16

悪い方へと乱れる

何が本当なのか
平均や普通なんてものは所詮その程度の概念でしかない
わかっている
わかってはいる
でも
それでも
一度それを感じてしまったら
またそうなんじゃないかって
胸が縮こまるような思いがする
信じている
執拗もなく信じている
滑稽なくらい信じている
信じないと死にそうだから、信じている
疑ってしまえば死にそうだから、疑わない
お前の言ってることは俺だって思った
だけど知らないフリをした
こういうこともあるんだって、そう思った
思い込んだ
そう思わないとやってられなかった
そうじゃなかった時なんて考えたくなかったから
実際なんて知らない
いつか聞こうとは思う
けどきっと、聞いてしまった時点で俺の何かは死ぬのだろう
大切なそれが、潰れてしまうんだろう
そしてまた不安に包まれて、体裁を気にして、俺はいつまでも成長できない
変わらない
変われない
知りたくない
知っていたい
受け止めたい
放り捨てたい
矛盾してるこれは、いつか弾け飛ぶように外へ出てしまうんだろう
外に出てしまえばもうこれはただの凶器
人を活かすも殺すも自由な銃弾
発した者は危険を感じ
発した時点で誰かが危険に晒され
撃ち込まれた者は体から流れるその血潮が溢れ出る
ああ、狂気だ
自分の危険を防ぐために誰かを危険にするなんてイカれた考えだ
だけど自分は傷つきたくない
傲慢かもしれない
強欲かもしれない
だけど、自分を守らなきゃ
守って生きなきゃ
聞きたくないその言弾を防ぐためにも先に撃たなきゃ
こうしてまた今日も誰かが傷ついてしまう
知らないでいることは幸せなことか?
無知の知は誰かに幸せというものを教えるだけだ
幸せにはなれない
ならば全てを知って幸せになれるか?
どうだろうかな
知らなくてもよかったことっていうのはきっとあるかもしれない
でも、俺たち人間はどこまでも知を追い求める
知らないことなんて許せない
知りたい
たとえそれが神の禁じた赤い果実でも、太古から人間というものは知を求めた
好奇心故に身を滅ぼしたって、何かを得られるのならそれでいい
その死は本人にとって替えがたい何かを得た結果なのだろうから
詭弁かもしれない
アリストテレス曰く、知とは全てだ
故に俺は思う
全てを追い求め
その全てを知り
人はそれを真理と呼んだ
真理を知るために人は人を疑い
真理から遠ざかるために人を傷つける
知とは恐ろしい
目には見えず
触れることもできず
物体としての形をとることもなく
人を意のままに動かす
この世界はやはり何か狂っている